高用量Vitamin C投与の病態生理学的背景

Making sense of early high-dose intravenous vitamin C in ischemia/reperfusion injury

Crit Care. 2018 Mar 20;22(1):70.

PMID:29558975

<背景>

近年敗血症に対する高用量VitaminC療法が注目されており、こうした患者ではVitaminCの抗酸化作用が示されている。

また小さなRCTではあるが、VitaminC療法、特に高用量のVitaminC投与が臓器不全からの回復に関連していることが示されている。(J Transl Med. 2014;12:32)

また、外科術後のSepsisに対して高用量のVitaminC投与がショックからの早期回復と生存率を改善に寄与する事がRCTで示されている(J Res Pharm Pract. 2016;5:94–100.)。そして、最もインパクトがあったのは、サイアミン、ステロイドとの併用が生存率を改善することがbefore after studyで示された(Chest. 2016;151:1229–38.)。

敗血症と虚血再灌流障害は、細胞障害および臓器不全を引き起こす過剰なreactive oxygen species (ROS)の産生が原因となるという点で病態的に共通点がある。事実、CPA蘇生後の患者では過剰なROSの産生がミトコンドリアの障害を引き起こすことが示されている(Crit Care Med. 2011;39:1712–20.)。従って心肺停止後の患者においてもVitaminC療法が有望な治療法である可能性がある。VitaminCが虚血再灌流傷害から脳保護に働く可能性があることは、カメの知見からも示唆されている。カメは潜水中の酸素枯渇となるが、それに対して耐容性を有している。こうしたカメは脳内で非常に高いVitaminC濃度を有するということが報告されている(J Neurochem. 1995;64:1790–9.)。

中枢神経系における高濃度のVitaminCは、長期の低酸素暴露後の再度酸素化する際に脳を酸化的損傷から保護する進化的適応である可能性がある。しかし人間はVitaminCを生成する能力を失ってしまった。

最近は虚血再灌流傷害におけるVitaminCの役割を調べる前臨床および臨床研究の数が増えており、このレビューでは、心肺停止後症候群(PCAS)に対するVitaminCの使用の理論的根拠について議論し、心筋梗塞後の高用量VitaminC ivの効果に焦点を当てた臨床研究の結果をまとめることを目的とした。

<Pathophysiology of ischemia/reperfusion injury and the post-cardiac arrest syndrome>

心停止に陥ると酸素枯渇に陥り主にミトコンドリアによって全身でROSが生成される。そして蘇生が成功した後の虚血臓器への再灌流は逆説的に臓器障害を悪化させる可能性がある。高代謝臓器である脳や心臓はこの影響を受けやすい。再灌流後には数分以内に膨大な量のROSが生成され、リポキシゲナーゼ、シクロオキシゲナーゼ、一酸化窒素シンターゼ(iNOS)、NADPHオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼなどが酸化される。この大量のROSが生成されると、VitaminCのような抗酸化物質がない場合には、たんぱく質、リン脂質、DNAに損傷を与え、アポトーシス・臓器不全を引き起こす。血管内皮障害は微小循環障害を起こし、血管収縮および拡張性物質への反応を低下させ低血圧を引き起こす。そして血管内皮バリアの損傷は血漿成分の漏出を起こし、循環血液量を低下させ浮腫を引き起こす。

<Acute vitamin C depletion>

PCAS後の強烈な酸化ストレスは、体内に貯蓄されたVitaminCを急速に枯渇させる。心停止後の翌日には健常人の約50%まで低下し、3日後には半分以上の患者が欠乏する。( Intensive Care Med. 2014;40(Suppl 1):S199 )

血漿VitaminC濃度はPCAS患者ばかりでなく他の重症患者でも同様に減少している(sepsis, hemorrhage, myocardial infarction or traumatic brain injury)。VitaminCは全身を循環しており、酸化ストレスに暴露された際に働く主要な抗酸化物質で、それにより他の内因性の抗酸化物質の消費を抑えている。

この“ROS sink”としての独特なVitaminCの機能はin vitroの研究でも示されており、これらの研究では様々な種類のROSがVitaminCの枯渇を引き起こすとされている。ICU患者の低VitaminC値は、昇圧薬必要量、腎障害、多臓器機能障害(高SOFAスコア)および死亡率の増加と関連していることがわかっている(Intensive Care Med. 2014;40(Suppl 1):S199)。またVitaminC値と多臓器不全の関連性は敗血症患者でも実証されている(Crit Care Med. 1996 Mar;24(3):392-7.)しかし、ICU患者のVitaminC欠乏は多くの場合は認識されておらず、検査の難しさとコストなどの観点からVitaminCの血漿レベルは病院で日常的に利用可能ではない。さらに臨床実習では、標準栄養素のVitaminC含量は、VitaminCレベルを正常化するのに十分であると仮定されている。しかしながら、1週間の経腸栄養でVitaminC 700mgを投与した後でさえも、血漿濃度は大部分の患者で不十分であったということが報告されている(JAMA. 2014; 312:514-24)

<Rationale of high-dose intravenous vitamin C>

高用量VitaminCの投与はしばしば不要であると見なされ、代替療法であると見なされる事すらある。しかしこうした考えで、多くの前臨床および臨床試験で示されているような高用量VitaminC iv(経管ではない!)の多岐に渡る有益性が否定されるべきではない( Crit Care. 2014;18:460.)生理学的な量を超えたVitaminC濃度は、VitaminC欠乏の補正によって壊血病を予防するだけではなく、非常に多岐に渡る効果を発揮することができる。しかし経腸栄養ではこれらの目標を達成する事はできない(Adv Nutr。2011; 2:78-88)。静脈内VitaminC投与は、はるかに高い血漿レベルを生成し、より強力な抗酸化効果をもたらすことができる。根底にある病態生理学的メカニズムは、現在、よく解明されている(Figure3)

Figure3

VitaminCは、スーパーオキシド(O2∙ - )からのフリーラジカルを捕捉します。

VitaminCは、キサンチンオキシダーゼおよびNADPHオキシダーゼの活性化を阻害する。

VitaminCは、機能不全に陥った電子伝達系からの電子の漏れの増加によって引き起こされる酸化ストレスからミトコンドリアを保護する。

VitaminCはジヒドロビオプテリン(BH2)からテトラヒドロビオプテリン(BH4)を回収し、内皮の一酸化窒素シンターゼ(eNOS)活性を回復し、eNOバイオアベイラビリティーを増加させる。

VitaminCは、誘導性NOS(iNOS)の活性化を阻害し、iNOの産生およびペルオキシナイトライト(ONOO-)の生成を妨げる。

VitaminCはONOO-を捕捉し、内皮のタイトジャンクションの弛緩を防止する。

VitaminCは脂質過酸化を防ぐα-トコフェロールを回収する

VitaminCの高い血漿濃度、ROSの生成を制限するだけでなく、グルタチオン、尿酸およびビタミンEなどの他の酸化スカベンジャーを修復し、多数の酵素反応を調節するが、直接ラジカルスカベンジャーとしても働くことができる。VitaminC(282mV)とその1電子酸化体であるアスコルビルラジカル(-174mV)の電子還元電位が低いため、臨床的に重要なラジカルや酸化剤は事実上すべて減らすことができる。さらに、VitaminCは、血管運動の制御を維持する。さらに、必要な補因子として、VitaminC補給は、内因性の昇圧剤合成を回復することもできる。さらに、心停止後の患者には非常に関連性があり、VitaminCは脳を保護する可能性がある。

<Pharmacokinetics of vitamin C>

正常の血漿VitaminC濃度は約60μmol/ l(欠損<20μmol/ l、重度欠損<11μmol/ l)である。VitaminCトランスポーター(SVCT1)による経腸摂取は飽和性であり、重大な病気の際の腸内取り込みはさらに制限される可能性がある。補充しなければ、重症患者のベースライン低血漿濃度(6〜20μmol/ l)はさらに低下し、血漿濃度を正常化するために最低3g /日が必要であったと報告されている(J Surg Res. 2003; 109:144-8)

ICU患者を対象とした臨床試験では、熱傷患者を対象としたVitaminC 66 mg/kg/hrの24時間投与を調べた研究(Arch Surg. 2000;135:326–31.)、そして 200 mg/kg/dayを4日間敗血症患者に対して調べた研究(J Transl Med. 2014;12:32.)がある。VitaminCは糸球体によって濾過され、近位尿細管(SVCT1)で活発に再吸収される。尿中排泄はVitaminCが不足していr患者では低く、血漿レベルが高くなると増加する。

血漿から細胞への取り込みは、VitaminC輸送体(SVCT2)を介して、またはdehydroascorbateを介して(?)血液脳関門を通過する。

こうした能動輸送の結果、脳脊髄液濃度は約4倍であり、細胞内濃度は血漿中、特に白血球およびニューロンにおいて25〜80倍高く、それらを酸化傷害から保護する。高い血漿濃度は細胞内への浸透を促進し、顆粒球、赤血球および血小板のVitaminC含量は、血漿濃度および酸化ストレス誘発トランスポーター発現に有意に関連する。

<Safety of high-dose vitamin C>

高用量VitaminCによる有害作用は今のところ報告はされていない(Crit Care. 2014;18:460.)重症の敗血症患者では、200 mg/kg/dayは問題なく使用されたことが報告されている(J Transl Med. 2014;12:32.)。また、がん患者でも1,500 mg/kgの1日3回投与を毎週投与しても問題なかった(Ann Oncol. 2008;19:1969–74.)。鉄過剰症およびシュウ酸結石の患者の場合は逆説的にリスクを伴う可能性がある。しかしこれらのリスクは限定的であり、症例報告レベルである。VitaminCが非ヘム鉄の吸収を増強することから、VitaminCの高摂取が過剰な鉄吸収を引き起こすのではないかという理論的な懸念がある。なので、遺伝性ヘモクロマトーシス患者では、VitaminCの過剰摂取によって鉄過剰症が悪化し、組織損傷を引き起こす可能性があるためほとんどの試験で除外されている。高用量のVitaminCは、尿中のシュウ酸排泄を増加させる。しかし、シュウ酸石およびシュウ酸カルシウム結石を生成するためには数ヶ月から数年かかり、短期的なVitaminCの投与による研究はいずれもでは腎臓結石形成が認められていない(J Transl Med,2014; 12:32、J Res Pharm Pract. 2016;5:94–100など)。

*アポトーシスシグナルは細胞死をもたらす代表的なメカニズム であるが,近年の研究によりその分子機構の多くが明らかにされている。このシグナルにおいてROS は必須の役割を果たすが,鉄はROS産生に関わることでアポトーシスのシグナルの伝達を増強している.鉄は, 電子供与体として, H2O2をより活性の高い・OH (ヒドロキシラジカル)へ変換するFenton反応を 触媒することでROS産生に関わる.

<High-dose vitamin C post-cardiac arrest>

CPA蘇生後の組織再灌流障害に対する高用量VitaminC療法は3つの前臨床試験で調べられている。全ての研究がネズミにVF➢DCをしたモデルを使っている。2つの研究ではvitamin C (50 and 100 mg/kg i. v.)が心筋障害を軽減し、生存率および神経学的予後を改善したことが示された。(Intensive Care Med. 2011;37:2033–40, Acad Emerg Med. 2014;21:257–65.)またマロンジアルデヒド濃度で見積もられた心筋へのOxidative stressは、有意に減っていた。これらの有益な効果はCPR開始時の投与時のみならず、自己心拍再開後にも認められた。逆に、より高用量vitamin C(250 mg/kg i. v.)とDHAを併用した他の研究では, 蘇生率が低下することが示されている (Am J Ther. 2014;21:352–7.)

<High-dose vitamin C and myocardial ischemia/reperfusion injury>

血栓溶解療法やPCIなどによる心筋虚血後の再灌流は潜在的な虚血・再灌流障害を引き起こす。心筋虚血/再灌流障害は4つのタイプの心機能低下を引き起こします:lethal reperfusion injury (infarction), reperfusion arrhythmias, microvascular damage (no-reflow phenomenon) and contractile dysfunction (myocardial stunning)

なかでも再灌流傷害は、最大で心筋梗塞50%を占める。動物試験では、高用量VitaminCは梗塞サイズを減少させたことが報告されている(Free Radic Res. 2011;45:1173–83.、Am Heart J. 1989;118:667–73.など)。しかし、いくつかの研究では効果が確認されないあるいは糖尿病患者のみ効果的であったとする報告もなされている。

Ischemia/reperfusion arrhythmias、突然死の多くのエピソードに関連することが報告されている(J Pineal Res. 1998;25:184–91)。再灌流によって引き起こされたROSの過剰産生は、細胞膜中の脂質の過酸化をもたらし、損傷した筋鞘を介してカルシウムが流入する可能性がある。さらに、ROSは、筋小胞体におけるカルシウム取り込みを阻害する。これらの因子は、細胞内の遊離カルシウムを増加させ、異常なインパルス形成/伝導および不整脈の開始をもたらし得る。高用量VitaminCは、心室細動、心室頻拍のような再灌流性不整脈を減少させたが、いずれも統計学的に有意ではなかった(Pineal Res. 1998;25:184–91.)。いくつかの研究では、VitaminCがデフェロキサミン(Hell J Cardiol. 2008;49:320–8.)またはグルタチオン(J Pharmacol Exp Ther. 2002;301:543–50.)と組み合わされた場合にのみ有意な減少が見られた。

虚血後の再灌流は、血管内皮細胞の膨化をもたらし、さらに心筋の微小循環luminal membrane blebbing(訳不詳)をもたらす。これらの因子が微小循環障害を引き起こす(‘no-reflow’現象)さらに、膨化した筋細胞が隣接する毛細血管を圧縮する。VitaminCは、こうした内皮細胞および筋細胞の腫脹を防ぎ、膜浮腫を減少させたことが示されている(Microvasc Res. 2002;64:265–77.)。

AMIに対するPCI中にVitaminCを投与した臨床研究はほとんどない。周術期の心筋損傷は、PCI処置の約15〜35%で起こり、明らかな臨床的心筋梗塞から心臓酵素の軽度の増加まで幅がある(Jacc Cardiovasc Interv. 2010;3:230–2.)。こうした心筋損傷は長期死亡率の増加、再発性梗塞と関連している。安定狭心症に対して待機的PCIを受けている患者に対するVitaminCの効果を調べた研究については2件の研究が行われている。待機的的PCI前のVitaminCの注入は、両方の研究で酸化ストレスの減少が確認され(acc Cardiovasc Interv. 2010;3:221–9. 、Can J Cardiol. 2014;30:96–101.)、大規模な臨床研究(n = 532)では周術期心筋損傷の軽減が確認された(Can J Cardiol. 2014;30:96–101.)。 PCI前に投与されたVitaminCは微小循環再灌流を著しく改善し、79%の患者がTIMI心筋灌流グレードIIIに達したが、対照群では39%であった(Jacc Cardiovasc Interv. 2010;3:221–9.)。VitaminCは、酸化に対して非常に敏感なNOSの補因子であるテトラヒドロビオプテリン(BH4)の酸化を防止する。 BH4が酸化されると、内皮NOS活性が脱共役になり、NOの代わりにスーパーオキシドが生成され、酸化的損傷が増強される。

<High-dose vitamin C and cerebral ischemia/reperfusion injury>

脳の虚血/再灌流傷害は、炎症性および酸化的ストレスにより脳浮腫および血液脳関門の破壊をもたらす。脳組織は、酸素およびその高含有量の多価不飽和脂肪酸の必要性が高いため、酸化的損傷に対して非常に敏感である。脳細胞内でミリモル濃度で保存されているVitaminCは、脳内で最も重要な抗酸化物質である。虚血の間、大量のVitaminCが虚血領域の細胞外区画に放出され、脳内のVitaminCレベルは細胞内区画において著しく急速に低下する(Stroke. 1978;9:445–7.)

VitaminC(=アスコルビン酸)は、グルコース受容体GLUT1を介して酸化型のDHAを介して血液脳関門を通過する。脳では、DHAはグルタチオンおよび他の細胞内チオールによってVitaminCに変換される(Figure 4)。 DHAの静脈内投与は、VitaminCと比較してDHAのより効率的に取り込まれるため、VitaminCの生理学的濃度を超えた用量脳内に生成する。

したがって、脳虚血の大部分の研究はDHAの作用に焦点を当てている。 DHAがVitaminCに変換されると、それは潜在的かつ多面的な神経保護作用を有する。星状細胞へのグルタミン酸の取り込みはROSによってブロックされ、VitaminCはこれを防ぐことができる。さらに、VitaminCは、酸化されたドーパミン(これは有名な神経毒性である)からのcatechol-protein conjugatesの形成を防止し、ドーパミン受容体を遮断し得る。

前臨床試験では、脳虚血/再灌流傷害に対するDHAの効果が調べられている。マウス、ラットおよびサルの前臨床大脳虚血モデルでは、DHAは死亡率を減少させ、複数の研究では梗塞サイズを減少させた(Proc Natl Acad Sci U S A. 2001;98:11720–4.)。 DHAは虚血後3時間後の梗塞サイズの減少、虚血後脳血流の改善、および神経学的障害の減少が6〜9倍になったことが報告されている(Proc Natl Acad Sci U S A. 2001;98:11720–4.)。さらに、DHAのivは、虚血性脳卒中後の脳内の著しく低下したVitaminCレベルを迅速に補充し、脳の酸化傷害および浮腫を減少させた(Neurosurgery. 2006;59:383–8.)。いくつかの研究では、脳虚血/再灌流傷害に対するVitaminCの効果が調べられている。サルを対象とした研究で、梗塞を作る前にVitaminCを2g投与したサルでは、梗塞サイズは22%から7%に減少していた。また、スナネズミではVitaminCが線条体を保護することが示されている(Brain Res. 1999;835:229–40.)。大脳皮質、海馬および線条体は、虚血性傷害に対する脳の最も脆弱な領域である。VitaminCは、線条体中のドーパミン放出速度を濃度依存的に遅くした。しかし、DHAの均一な結果とは対照的に、VitaminCは2つの他の研究で有益な効果が認められなかった(Proc Natl Acad Sci U S A. 2001;98:11720–4.、J Neurosci Res. 2005;79:670–9.)

脳虚血に対するVitaminCまたはDHAの効果を調査した臨床試験はほんのわずかである。 脳卒中患者に対するプラセボ対照試験では、VitaminC 500mg /日10日間の効果は認められなかった。 この研究では10日後または3ヵ月後に神経学的予後に改善はなかった(Pharmacol Rep. 2010;62:751–6.)。しかし、この研究では使用された量が低用量であったことや、不可逆的損傷が既に生じている脳卒中後1日目のVitaminCの開始であったことが最近の研究との相違点である。

<Future trials>

虚血/再灌流傷害および敗血症における、高用量VitaminCの有益な効果の前臨床および臨床的効果を考えると、ICU患者における広範囲の臨床安全性データおよび説得力のある機構学的理解をするためにも、心停止後の患者についてのRCTの時期である。このような試験でVitaminCの潜在的有益効果を明らかにする機会を最大限にするためには、いくつかの前提条件があります。

VitaminCの最大多面発現効果を達成するためには、超生理学的血漿レベルを達成しなければならない。これは、VitaminCをiv投与する場合にのみ可能です。それには少なくとも3g /日の用量です(ICU患者の欠損を矯正するためには3g /日以上が必要)。さらに、VitaminCは主にニューロンのVitaminCに変換されるDHAとして脳に入るが、心停止のためには、より安定したVitaminCの還元形態が好ましいと考えられる。心筋梗塞後の圧倒的な酸化ストレスは、相当量の投与されたVitaminCをDHAに変換し、それによって脳内に十分なVitaminCを確保する。

さらに、可能な限り早期にVitaminCによる輸液を開始することが不可欠です。再灌流後、数分以内に膨大な量のROSが生成され、培養した内皮細胞に対する血漿の酸化的損傷は、蘇生後早期に最も高い。 ICU入室時では、プロ/抗酸化物質のバランスが失われ、酸化的ストレス応答が制御されなくなる時点を示している可能性が高い。この点の前に注入を開始することは重要であると思われる。最後に、高用量VitaminCの投与は、例えば、臓器障害が発生したときの圧倒的な酸化ストレスの中で、4日間の短期間だけ行うことが推奨される。

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